橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2010-07-23から1日間の記事一覧

太田和彦『居酒屋百名山』

太田和彦もずいぶんたくさんの居酒屋本を書いてきたが、本書は「私の代表作であり集大成」なのだという。そのスタイルは、一言でいえばストイック。太田の本によくあるデータブック的性格や、紀行文のような広がりは最低限まで抑制され、居酒屋の佇まいと、…