橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2010-04-14から1日間の記事一覧

「泡立つ青春」(マキノ正博監督・一九三四年)

創建当時の「ライオン銀座七丁目店」ビヤホールの姿を見ることのできる映画が、これである。大日本麦酒株式会社のPR映画だが、主に戦前期に活躍し、生涯に二六〇本以上もの作品を作り上げた名監督・マキノ正博(雅弘)がメガホンをとっている。 映画はまず、…