橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2008-05-03から1日間の記事一覧

「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ」(弓削太郎監督・一九六二年)

青島幸夫原作で、川口浩と川崎敬三が演ずる新入社員を中心に、当時のサラリーマン風俗が描かれる。川口浩は農家の息子で、家族は「早う出世してな。お前の学資に売り払った田んぼを買い戻すんだぞ」と送り出す。川崎敬三は水上生活者の息子で、やはり家族は…