橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2007-12-21から1日間の記事一覧

「秋刀魚の味」(小津安二郎監督・1962年)

小津安二郎最後の作品。初めて見たとき、「お茶漬けの味」みたいに秋刀魚を食べるシーンが出てくるものとばかり思っていたが、そうではない。ほろ苦い人生ドラマ、というような意味だろう。笠智衆、中村伸郎、北龍二の三人は中学の同級生なのだが、同窓会の…