橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2007-07-28から1日間の記事一覧

『天国と地獄』(黒澤明監督・1963年)

製靴会社の重役、権藤(三船敏郎)のもとへ、息子を誘拐した、身代金三〇〇〇万円をよこせと電話がかかってくる。誘拐されたのは息子ではなく、息子と一緒に遊んでいた別の子どもだったのだが、権藤は身代金を支払うことを決意する。警察が大人数を動員して警…