橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2007-01-31から1日間の記事一覧

「あさひや」「いちふく」

いまは昔、経堂に「あさひや」という居酒屋があったという。インパール作戦の生き残りという店主が、安く美味くをモットーに、焼酎は一六〇円、牡蠣の串焼きが一八〇円など、信じられないくらい安く、しかも美味しい料理を出して、地元の酔っぱらいたちに慕…