橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

中野「四文屋」「魚の四文屋」

吉祥寺の名店、「いせや」が閉店するというので、見納めにと出かけたところ、店の前は長蛇の列。この様子では一時間は待たされるなと、写真だけ撮って退散し、JRでもと来た道を戻って中野へ。中野で飲むのは久しぶりだ。中野には名店「第二力酒造」がある…

「赤津加」

行ってきたわけではありません。思わぬところで看板をみました。 昨日テレビで放送された、映画「電車男」の最後、電車男とエルメスが秋葉原の街中で抱き合うシーンの背景に、看板が映ります。背景はかなりCG処理されているようなので、この居酒屋の良さを…

新刊のご案内

新著が出版されました。今回はちょっと肩の力を抜いて、青春映画や梶原一騎の劇画、都市論・東京論などにまでテーマを広げています。居酒屋についても論じたかったのですが、これは次の機会にしましょう。内容は次の通りです。 第1章 階級の死と再生 第2章 …

大衆酒場「酒の高橋」

禁酒明けには一日早いのだが、まあいいだろうというわけで自転車に乗って世田谷へ。ここでいう世田谷というのは、世田谷区世田谷。世田谷区の中心部で、世田谷区役所のある界隈のこと。私の自宅から自転車で十分少々のこのあたりは、東急世田谷線というほと…

日本酒場通史 『酒場の誕生』 

編者は、酒食についてのエッセイで知られ、長野県で農場とワイナリーも経営する玉村豊男。執筆陣は海野弘、森下賢一、枝川公一など。なんといっても、冒頭におかれた海野弘の「江戸の酒場繁昌記」が圧巻である。八世紀半ばにはすでに酒場らしきものがあった…

ノンフィクションとしての居酒屋論 『下町酒場巡礼』

著者は、大川渉、平岡海人、宮前栄の三人。一九九八年に正編が出版され、好評の故か二〇〇〇年に続編が出版された。現在は、文庫で入手することができる。紹介されたのは合計八十八店で、著者たちはこれを四国八十八ヵ所のお遍路になぞらえている。たしかに…

禁酒生活

一週間、禁酒することになりました。とうとう肝臓を痛めたのか?違います。内視鏡で大腸ポリープの切除をしたため、大事をとってのことです。これだけ禁酒すれば、あとは当分、休肝日を作らなくても大丈夫でしょう(笑)。 内視鏡でみた大腸は、極上のシロ(牛…

「養老乃瀧」練馬南口店

今日は、科学研究費を使った調査のための調査票の発送作業だった。一七〇〇通ほどの郵便を出し終え、練馬郵便局に受取人払い封筒の見本を提出して、今日の作業は終了。重労働のあとだから、当然、ビールで喉を潤したいところなのだが、まだ四時半。練馬とい…