橋本健二の居酒屋考現学

居酒屋めぐりは私の趣味だが、同時にフィールドワークでもある。格差が拡大し、階級社会としての性格を強める日本社会の現状を、居酒屋に視座を据えて考えていきたい。日々の読書・音楽鑑賞の記録は、「橋本健二の読書&音楽日記」で公開中。社会学専攻、早稲田大学人間科学学術院教授。

2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「大はし」

北千住駅から西口に出て大通りをしばらく歩くと、通りは南北に延びる商店街と交差する。この商店街は旧日光街道で、宿場町の雰囲気を色濃く残している。そして北側、つまり駅から行くと右に折れた方のサンロード商店街に「大はし」がある。北千住で最も知ら…

ガード下の「羅生門」

銀座のビアホールの次は、どこへ行こうか。一年ほど前までだったら、たいてい松屋通りの「山形の酒蔵」へ寄るところである。この店は松屋通りから横へ、路地とも呼べないほどの細い隙間から地下に降りたところにあった。引き戸を開けると、そこにはまるで、…

ビアホール「ライオン」

銀座七丁目にある銀座ライオンは、私のいちばん好きなビアホールである。菅原栄三の設計による、重厚でしかもリラックスできる内装、美しいモザイク壁画もさることながら、ビールの味がいい。おそらく、東京一といっていいだろう。ここへ来たら、まずは普通…

タイトル変更

ご覧のように、タイトルを変更しました(笑)。居酒屋考現学というのは面白すぎるテーマで、ときどき出すだけにしておくのはもったいないからです。フィールドワークの成果を、近いうちに掲載したいと思います。

足立区長の怒り

足立区は、私が学生時代の多くを過ごした場所であり、「大はし」「千住の永見」などいい大衆居酒屋が多いこともあって、いまでもときどき足を運んでいます。その足立区の区長の発言についての報道がありました。 「生活水準向上させる」下層社会報道に足立区…

居酒屋考現学

さて、今回も酒の話、というより、居酒屋の話です。 居酒屋関係の本が花盛りです。これは、太田和彦さんの功績ですね。格好のキャラクターと情熱を兼ね備えたこの著者のおかげで、和風居酒屋の紹介本はひとつのジャンルを成すようになりました。私も、出れば…